非常に良い本でした。
98年に出たものですから情報的には古いかもしれませんが、ジャーナリストの矢部武さんが直接アメリカで取材した情報を元に書かれてます。
既に「マリファナブック」とか麻関連の本は何冊も読んでるし、最新情報は中山さんや丸井弁護士、磯貝さんから聞いていたから、正直必要ないかなと思ってたんですが、友人が送ってくれたので、読んでみたのです。
一番良かったのは、なぜカリフォルニアで最初に医療マリファナが解禁されたかということが詳しくわかったことと、ガンやエイズ、てんかんや緑内障の方にどれだけ必要なものかが患者の生の声でよくわかったことです。
あとアメリカの実態もよくわかりましたし、子供についての注意事項もありましたからね。
最近小学生の問題が世間を騒がせてますが、それについても後で書きます。
言っときますが、私は病気以外で未成年が吸うことには反対の立場ですよ。
まず最新情報ですが、それぞれの病気に合わせたオイル抽出(家庭でもできます)を行えば、てんかんは早ければ1回、ガンは3ヶ月くらいで完治させる力がある、という話は以前「劇的に効くヘンプ」書きました。
でも、当時のアメリカでは、抗がん剤の副作用やエイズの症状やてんかん発作を抑えるのに、マリファナタバコを吸うか、クッキーなどに混ぜて食べてました。
だから抽出オイルほどの力はありません。
それでも、どんな鎮痛剤も効かず、痛みや吐き気に苦しむガンやエイズの患者や、てんかんの前兆がおきた患者が一日2,3服するだけで普通の状態になるのです。
緑内障で失明寸前でどんな治療も効かなかった人が治るのです。
特に吐き気がひどく何も食べられないので薬も飲めず、衰弱していくエイズ患者にはマリファナが絶対必要でした。
やせ細ってベッドで寝たきりだったのに、マリファナ治療のおかげで食欲が出て元気になってボランティア活動までするようになったりしてました。
でも、当時は非合法です。
ある時、銃で武装した警官隊がマリファナクラブに突入し、スタッフと患者6人を逮捕し、クラブは3ヶ月閉鎖されました。
その間にマリファナを入手できなくなった10数人のエイズ患者が亡くなったのです。
痲薬の密売人の摘発ならいざしらず、死にかけてる病人とそれを助けてる人に銃を向けて逮捕し、あげくに死人が出たことが住民投票に大きく影響し、96年にカリフォルニアで初めて医療用使用が認められたのです。
実はそれに先立つ76年、連邦政府はCUプログラムといって重篤な患者に主治医経由でマリファナタバコを送ることを始め、ブッシュが止める92年まで続いていました。
最初に連邦政府に訴えてその権利を獲得したのは緑内障で失明寸前の方でした。マリファナが劇的に効くことを体験し、合法的に治療しようと働きかけた結果です。
そういう経緯があって効果があることを知ってるのに、連邦政府はその後も患者にマリファナを勧める医師も逮捕すると脅してました。
連邦政府が医療用大麻の取り締まりをやめたのはようやく今年になってからですが、それまで何度捕まっても権力に負けずに患者を救い続けた人達が頑張った結果でもあるのです。
日本では研究すら未だに違法ですけどね。
マリファナが病気に効くのはわかったけど、害もあるでしょ、という人もいるでしょう。
まず肺への影響ですが、タバコと比べると吸う量が違います。マリファナは1日1,2本で済みます。
そして、タバコは小エアウェイという場所に炎症を起こし、それが肺や気管支の疾患に繋がるそうですが、マリファナは大エアウェイにしか影響を及ぼさないので原因にはならないそうです。
だいたい、ぜんそくの薬ですからね、マリファナは。
危険ドラッグで交通事故を起こす人が多いですが、マリファナは初心者でない限りほとんど運動能力や反射神経に影響はないです。
でも、ヘミシンクが運転中はダメだというのと同じでボーっとしやすかったり軽く酔ったような状態になるので、お酒ほどではないにしても、運転は勧められません。
覚せい剤やヘロイン、コカインなどのハードドラッグはやりすぎで死ぬ人もいますし、薬の副作用で死ぬ人もいますが、マリファナ吸い過ぎて死んだ人はいません。体壊すどころか健康になるだけです。
中毒性もないので、すぐにやめられますし、禁断症状もありません。
逆に麻薬中毒の治療で起きる禁断症状の苦しみを押さえる目的でマリファナは使われています。
致死量をアルコールと有効服用量で比較すると、4千倍から1万倍安全です。つまり致死量はないに等しいのです。
鎮痛剤としてのモルヒネは使う量次第に増やさないと効かなくなりますが、量を間違えると昏睡状態になります。
マリファナはマイルドな効き目の鎮痛剤ですが、量はいつも同じでOKです。
ただ、大人にはほぼ無害でも、幼児には効きすぎるので吸わせてはいけません。循環器系に影響が出たり最悪昏睡状態に陥る可能性があります。
これはアルコールやタバコが幼児の肉体によくないのと同じで、未成年はまだ肉体的に成長途中なので、全てに反応が強く出過ぎるのです。薬だって小児容量があるのと同じです。
鎮静作用が効きすぎるのでしょう。
あとこの本ではなく最近の研究の話ですが、快楽目的で未成年が過度に常用してしまうと、脳が快楽物質を出さなくなる可能性があるようです。
外から摂りすぎると体が怠けちゃうし、使用しない部分が退化するのは運動不足などと同じ現象でしょう。
だから、病気治療以外で未成年は手を出してはいけないのです。未成年は夢中になり過ぎて過度になりやすいですからね、どんなものでも。肉体的依存はなくても精神的依存を起こすことはあります。
ただ、肉体機能が成長しきった大人にたいしては、健康を害する要素はどこにもないことは知っておくべきです。
また、ハードドラッグへの足掛かりになる、というのも間違いです。
マリファナを非合法にして麻薬と同じブラックマーケットに入れるからいけないのです。
実際合法だった時のアメリカではハードドラッグの量は少なかったのです。
合法にしたオランダではハードドラッグの量は減ったそうですし、足がかりどころか、足止めになります。
だいたい、致死量もなく、健康被害もなく、中毒性もないのですから麻薬ではありません。
逆に幸福感や気づきなどが起きるので、人々が精神的に目覚めるくらいです。
だから昔から宗教行事で使用されてきたのです。
たぶん、それでヒッピーなど反体制的な人が増えたので禁止した面もあります。もちろん、薬や紙や繊維になるので、石油化学製品の邪魔になったとか、禁酒法が廃止されて職がなくなった取締官の新たな仕事先になった、とかって理由もありますが。
私は酒もタバコもやらないので、快楽目的でのマリファナ解禁はなくても構いませんが、病気治療に絶大な効果を発揮してしかも安く簡単に栽培できるものを禁止するのは納得できません。
死にかけてる人や苦しんでる人を救うことができることがわかってるんですからね。
でも、日本の厚生労働省は、副作用なくガン治療に使える丸山ワクチンを認可しなかったところです。
ましてや大麻取締法(GHQに押し付けられたもの)まであるから厳しいのはわかってます。
でも、国民のほとんどが、マリファナが医療用に凄い効果があって副作用もなくて安く(元々雑草ですから、農薬や肥料もいりません)栽培できるということを知れば、変わっていきます。
今はネガティブキャンペーンが功を奏して議論すらできませんが。
でも、世界中で医療用に全く認めてないのは日本だけだということは知っておきましょう。
そして私の友人も大麻草があったら死ぬことはなかったでしょう。
ガン、エイズ、てんかん、緑内障、ぜんそく以外でも、多発性硬化症や鬱や不眠症にも絶大な効果を発揮します。
正しい知識と世界の実績が広まることを願っています。
この本は絶版ですが、最新情報と合わせて再販して欲しいものです。
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絶版本「医療マリファナの奇跡」
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