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投影された宇宙

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タイトルは、94年に「ホログラフィック・ユニバース~時空を越える意識」として出版され、2005年に改題して再版された本の題名です。

図書館の科学コーナーに置いてあったので、てっきり量子物理学の難しい本かと思ってましたが、
どちらかというと、スピ系の本と言える内容で、非常に読み応えがありました。

ホログラフィック・フィルムはどの部分にも全体の情報が含まれているので、小さな部分だけでも同じ情報を投影できるそうで、
この本読めば、宇宙だけでなく、人体や脳や細胞も全てホログラフィックな存在だということがよくわかります。

でも、この本の良さは、単にそれだけではないのです。

何が素晴らしいって、多岐にわたる内容で、それぞれの実例が豊富に紹介されている点です。

評価が高いので、古い本でも新装版でも中古で2千円以上します。

口コミで評価が低い人の理由を読むと、純粋に最新量子物理学の本だと思って読んだからのようで、バリバリの唯物論で不思議な話は全部嘘だと思っている人でない限り、皆高評価です。


目次だけ紹介しても凄い量なので、ネットにあった目次のダイジェストを載せます。

第1部 驚くべき世界観の登場(ホログラムとしての脳/ホログラムとしての宇宙)

第2部 心と身体(ホログラフィック・モデルと心理学/素晴らしきかなわが身体ーボディ・ホログラフィック/奇跡がいっぱい/ホログラフィックにものを見る)

第3部 時間と空間(時を超えて/スーパーホログラムの旅/夢時間への回帰)


第一部は脳や量子物理学についての科学的な内容ですが、一般の常識には当てはまらないような話がたくさん出てくるので、理系無理って方でも興味深く読めます。

電子ってどういうものなのか、量子論とはなんなのか、という基本的なとこもわかりやすく学べますが、それだけではないのです。

脳って分割して役割が与えられてたりしますが、実はどの部分であっても全体の能力を備えているのです。

また、第一回宇宙塾で、

「本当の宇宙は内面にある」
「宇宙は脳のシナプスやミクロのクォークと同じ形・構成・仕組み」

と言われましたが、まさにそれがこの本で推してる量子物理学者ボームの説です。

さらに、第二回でのマナカ君の話にこういうのがありました。

「宇宙は法則で測れるものではない。あるのは秩序だけ」

これ、実はよくわからなかったんです。でも、この本でボームも同じようなことを言っていました。
カオス(混沌)に見えても実は秩序がある、という実験があります。
グリセリンの詰まった筒にインクを一滴垂らします。
その筒を回すと、インクはカオスに陥ったようにあちこちに広がりますが、逆回転させるとインクの一滴に戻るのです。

プリグラムとボームという物理学者は、脳についてこういう見解を示しています。

「時間と空間を越えた深いレベルに存在する秩序から投影される波動を解釈し、客観的現実なるものを数学的に構築している」

つまり、脳は波動を物質に変換して観てるだけで、この世界はホログラムだということです。


第二部以降になると、一転して現実的な実例がてんこ盛りです。

催眠、シャーマン、奇跡、聖痕、シンクロ、臨死体験、LSD、ホロトロピックセラピー、プラセボ、体外離脱、念力、透視、タイムトラベル、明晰夢(覚醒夢)、多重人格、臓器の感情、心霊治療、瞑想、魂、意識、死後の世界、並行宇宙、オーラ、チャクラ、経穴、ドリームタイム、テレパシー、ビジュアライゼーション、ワンネスなどなど。

ヒマラヤ聖者や、ユング、スウェーデンボルグ、ロバート・モンロー、アボリジニーなどの話も出て来ます。

紹介したい話ばかりですが、キリがないので少しだけ。


以前「大麻に関する話と本の感想」で書いた話↓がありましたが、この本がオリジナルでした。

『催眠術師がある男に「目が覚めたら、あなたの娘さんはこの部屋にいません」という催眠をかけます。
すると、娘が目の前で笑っても、声も聞こえないし、「この部屋にはいない」と言います。
そして、催眠術師が娘さんの背後にまわって手に持った時計の針がどこを指してるのか言ってもらいます。
すると、物理的には絶対に見えないはずなのに、正確にそれを見て伝えるのです』

肉体の目ではなく、意識が物を観てるという証拠だと思いますが、この本にはもっと凄い話が載ってました。

催眠術をお互いにかけた二人は非物質の世界を共に知覚し探検したのです。それも現実よりもリアルに感じる世界を何度も。
そこで二人は話し合ったことを録音してるんですが、実際にはテレパシーで会話してたようで、何も録音されてなかったのです。

意識が現実を創ってるという証拠がたくさん出てくるのが病気治療についての話です。

LSDによって精神病の治療が促進されるのは、忘れていた記憶が掘り起こされることなどがあげられるそうで、分裂病も治ったりするそうです。
それ以上に子宮にいた時や過去世の記憶まで思い出したり、他人の意識に入り込んだり、別の宇宙や異次元を訪問したり、高次体験をすることまであったようです。
(LSDが禁止になったのは今までの常識が間違ってることに気付いてしまうからでしょう。ジョン・レノンがはまったのもわかります。最初の奥さんはバッドトリップしたのでジョンについていけなくなったようですから、いいことばかりとは言えませんが)

ちなみに、LSDを使わなくても同じような体験はできます。
先住民達の植物使うものはたいていそうです。アヤワスカとか有名ですね。

「ホロトロピック・セラピー」は呼吸法と音楽とマッサージとボディーワークでそれを行うようです。
(ヘミシンクも練習すれば同じような体験できますが、LSDほど強烈ではなく、報告読むと大麻に近いかもしれません。
ちゃんとした手順でやればヘミシンクは安全です)

しかし、LSDさえ、意識が主体だという証拠があります。
ある時、LSDだと偽り、プラシーボを与えても、被験者は同様の体験をしたのです。
(これはたぶん、体験者だからでしょう。ヘミシンクも熟練者はCDなしで変性意識に入れますから同じでしょう)

また、メチャクチャ大量のLSDでもなんの変化もない聖者の話もありましたからね。

ある時、狭心症の手術で、胸部を切開しただけで何もせずに縫合したら、胸部動脈結束処置した患者と同じように症状が改善しました。

紫色の無害な染料を塗るだけでイボを治す医者の話もありましたが、極めつけがこれです。

気管支喘息の重篤な患者に強力な新薬が出たというので、患者に試すと速効しました。
次に発作が出た時、プラシーボを投与したら、あまり効きませんでした。
でも、実は最初の薬は製薬会社が間違って送ったプラシーボだったのです。つまり、どっちもプラシーボだったというわけです。
患者の意識だけでなく、医者の意識も影響しているのです。

多重人格者が病気になった時、全く別の人格になると、同じ肉体なのにその症状が消えたりします。

また、バスケットボールの選手を、実際に練習する、練習しない、上手く出来たイメージ練習だけする、という3つのグループに分けて、改善率を調べたところ、練習しないグループは変化なし、練習とイメージのグループはどちらも33%改善したのです。

他にも奇跡的な技(腕や胸を剣で貫通しても血が出ないし跡も残らないとか、焼けた石炭の上を裸足で歩いてもヤケドしないとか)、宗教的な奇跡とか、誰も成功してなかった実験が、成功者が出ると他の人も成功し始めるとか、

全て意識(潜在意識がメインでしょう)が現実を創っている、ということを表わしている話がまだまだたくさんあります。

インドの聖典ヴェーダには、「この世界は神の夢」と書かれているそうです。

宗教や聖者や最近増えている悟り体験、臨死体験などによって、この世界は幻だと言われていますが、量子物理学や各種実験や実例によっても同じ結論を導き出せるのです。

ちなみに、臨死体験中には脳波が計測されませんので、脳による妄想ではないことは確かです。

もっともっと凄い話や興味深い話がたくさんありますが、このくらいにしときます。
実例を元に書かれてるので、下手なスピ系の本よりも納得しやすいんじゃないでしょうか。
物理・スピ、ともに初心者でも全然お勧めできる本だと思いますよ。


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