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零式活人術

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タイトルは炭粉良三さんって方の本の題名です。これもいただいたので読んでみました。

保江邦夫さんの門下生ではないようですが、弟子みたいな感じです。時々保江さんとのやりとりが出てきます。

合氣を学んだ空手家ですが、殺法ではなく活法を使って内蔵疾患などの施術してた活法師でした。どんなやり方かはわかりません。

外科的な治療はしていなかったんですが、他人の捻挫箇所や痛みのある膝に何気なく両手を当ててみたら、数十分で痛みが消えて杖なしで歩けるようになったりし、82歳で手術不可能なほど抵抗力が落ちていた女性の首の骨折も1回の施術で数日後には治ったので、それを零式活人術と名付けます。

零というのは自分は何もしていない、ただ手を当てただけで自分が治しているのではない、という意味で、気功とか一切習っていないので、気功という名前を使えず零式としたそうです。

面白いのは人によって合う合わないがあること。合う人には劇的に効きますが、効かない人には全く効かないようで、治癒する割合は6割とのこと。
やってみないとわからないようです。でも、高額ではないので、関西圏の方はやってもらう価値はあると思います。

あと面白いと思ったのは、最初は逆に傷みが増す場合もあるということ。
最初の首の骨折の方がそうだったので、お金はもらわずに帰ったそうですが、数日で痛みがあちこち移動し、そのうち消えて、レントゲン撮ったら治っていたそうです。
一週間後に様子を見にきてそれを知ったとのこと。

ちなみに痛みが移動する、というのは昔温熱療法のイトーテルミーをやってもらった時に経験があります。その時は打撲か何かだったですが、不思議な現象ですね。


この本の内容は零式活人術についての話だけではなく、患者さんとの治療記録が何例か、そして零式がどうやって生まれたか、癌になった両親や自分の治療について、喫茶店経営者から施術者になった方の話や、飲み屋の話、合氣や空手の組み手の不思議な話などとなっています。

話題が様々ですし、全体的にはちょっと不思議な話を綴った内容で構成された本とは言えますが、最後の付録は重複している内容もある(そう注釈はありましたが)ので、本としてはもうちょっとまとめた方がいいと思いました。
小説じゃないんだからわかりやすく時間軸順に書いた方がいい気もしましたが、同時並行してる話もあって難しいのかな。
あと時間軸を無視して書くなら最初にインパクトのある話を持ってきた方がいいとも思いました。
もし立ち読みだったら途中で読むのをやめたかもしれません。

失礼ながらそんなことを思いましたが、なるほど、と思ったこともいくつかありましたので、それを紹介させていただきます。


まずはうつについて。

男性のうつは治療が難しいということ。
そして、それを治すには夢中になることを探してそれを続けること。
あとは周囲がうつの状態がどういうものかを理解して受け入れること。

女性のうつは治しやすいそうですが、男性がそんなに大変だとは知りませんでした。


次に喫茶店経営を次々と成功させたあと施術師になった方について。

成功の秘訣は「こだわらないこと」
自分の考えに固執せず、相手が喜んでくれているかを考える。
そして、自分でもできると思ったら余計なことを考えずにやる。

そういうことが書かれてましたが、自分軸を持つことは大事です。他人の意見にフラフラしていたらどこへ行くかわかりません。
でも、自分軸を持つとは、
自分の主義主張に頑なであったり、プライドを持つことではなく、
常に自分の判断で選択でき、状況に応じて変えられる柔軟性があり、
自分の直観を疑わずに一歩踏み出す勇気を持っていること、
なのでは、と思いました。
一言でいうと、常に自分を信頼している状態でしょうか。それだけでいいのかな。余計なこといろいろ考えずに。

もちろん、人ぞれぞれ性格や仕事の進め方は違いますから、こうじゃないといけない、ということはありませんが、常にフラットなゼロの状態でいるようにして、自分の可能性を制限することなくチャレンジを続けようという気になりました。


最後に合氣について

合気道は凄いなと創始者の植芝さんの驚異的なエピソードを何度かご紹介(鉄砲の弾より早く動くとか)してはいましたが、やったことはないので、この本に出てくる「合氣あげ」というものは知りませんでした。

調べると、正座した状態で両手首を掴まれて体重かけて押さえられても相手ごと持ち上げてしまう、というもの。

ユーチューブでその原理を解説したものを見たあと、ふと目にとまった、
【最強】島田紳助も認める最強格闘技がこれだ
という動画をチェックすると、
なんとそこには保江教授が出てくるではありませんか。
物理学の説明で合気道を解説するんですが、納得できますし面白いです。

でも、最終奥義はアホになることでした。合氣あげは、別の動画で見た物理的解説ではなく、アホになってあげてました。やり方は1つではないんですね。
ていうかアホになると正解を体が導き出すってことかも

実はこの本にも著者が保江さんと最初に戦った時のことが書いてあり、アホみたいな顔で上向いてるから驚いたようですが、最終的にはその極意を掴んだことも載ってたので、「この事か」と興味深く動画を見ました。

極真空手経験者の芸人と保江さんの戦いは見物ですよ。

なぜアホになるのか。それは考えてから行動するのに0.5秒かかるからです。

頭で考えて動いても間に合わないですが、アホになる(無になる)と相手より早く動けるので勝てるのです。

しかもこれは格闘技だけでなくお笑いなどのしゃべりでも同じで、考えてしゃべらない方がどんどん面白いことを言えるのです。紳助さんも経験があり、しゃべり倒す自分を後ろから冷静に見てる自分もいたそうです。

ここからは私見です。

中山さんや保江さんはスライドとか使わない講演ではどちらも「出るに任せて口からでまかせで話します」と言われますが、それは無の状態で話していたんだとわかりました。考えて話してないのです。

アホになる、無になる、夢中になる、これはボーッとした寝入りばなや起きがけやお風呂に入ってリラックスした状態とも共通する変性意識状態でもあります。

変性意識状態とは左脳の活動が抑えられて右脳が優位に働く状態です。右脳は人智を超えた領域と繋がってますから、超能力的なこともアイデアやインスピレーションを受けたりするのも右脳の働きです。
左脳は考えたり分析したり整理したりするのに必要なので、両方のバランスが大事です。バランスが取れた状態がプラスでもマイナスでもないゼロの状態なのかもしれません。

零式が発動したのも、ヒーリングで治してやろうとか、どうやって治そうとか考えずにただ手を当てたのが良かったのでしょう。

スプーン曲げも念力で曲がれと念じたり、柔らかくなることをイメージして曲げる方法と、
スプーンを見ないでボーッとした状態で何も考えずに曲げる方法があります。

私は念力では曲げたことないですが、後者の変性意識状態でなら曲げたことがあります。

「アホは神の望み」という本を村上教授も出していましたが、これからはアホになる時代だなとあらためて思いました。

アホになるってことは頭で考えないってことですから、それは全知全能の神と等しい力を本来持っている自分を信頼して任せるってことでしょう。

アホ(無、ゼロ)になれば、潜在能力や本来の力を発揮できるようになっているんです。

もちろん考えることも必要です。降りてきたアイデアを整理したりまとめたりするのは左脳ですから右脳だけでいいとは言いません。

ただ、どうしても過去の学校教育は左脳重視になっていたので、アホになる訓練も必要だってことです。


力を抜いて受けてるのに打撃を出した方に凄まじいダメージが残るというエピソードも本にありましたが、これも不思議な現象ですね。

力を抜くというのはアホになるのと同じだと思います。自分がダメージを受けない分、相手に返っていくのかもしれません。

これは心の世界も一緒でしょう。他人から悪口言われたりしてもそれに反発していたら自分も傷つきケンカになりますが、反応せずに受け流していれば、その負のエネルギーは出した本人に全部返るだけですからね。
受けて立たなければケンカになりませんし。

他人が自分のことを悪く思ったならしょうがないです。つい自分を正当化しようと言い返しがちですが、全ての人が違うように作られているので、全ての人に好かれるのは元々無理なのです。
だから、アホになって「仕方ないや」とあきらめましょう。

もちろん、そこに正当性があって自分に思い当たることがあれば、ありがたい意見だと感謝して改善していけばいいですし、単純に間違いなら訂正すればいいですが、理不尽な場合は右から左へ受け流しましょう。


そんな感じで今回も本を読んだあとで気付いたことがたくさんありましたので、本をくれたIさんに感謝です。

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